上勝阿波晩茶 お試しサイズ 10g
徳島県上勝(かみかつ)町の特産品、阿波晩茶。
「お茶の漬け物」とも呼ばれる、世界でも珍しい乳酸発酵のお茶です。
阿波晩茶は山吹色のきれいな水色が特長で、渋み、苦味が少なく、爽やかな飲み口で、甘いものにも食事にも合います。
発酵によりカフェインは少なく、抗酸化作用は高く保たれ、腸内環境の改善、高血圧・糖尿病の予防、花粉症の症状の軽減などが期待されています。
(農薬・化学肥料不使用)

長い歴史と手間暇かけた製法が国の重要無形民俗文化財に指定されました(2021年3月)。

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この商品はお試しサイズ10g入りです。
ご注文の際、生産者の指定がある場合はプルダウンメニューからお選びください。
※特にご指定がない場合はどれか一つのお届けになります。

生産者/地域/農薬/施肥/漬け込み期間/特徴
●新居奏さん/生実いくみ/無/無/約2週間/ほっとする懐かしい香りに癒される
●谷口さん/傍示/無/無/約1か月/すっきりクリアな飲み口
(味わいの特徴・感じ方は個人差がありますので参考程度にお考え下さい)

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【徳島県ホームページ】より

重要無形民俗文化財「阿波晩茶の製造技術」の指定について
令和3年3月11日(木)文部科学省告示第29号により次の重要無形民俗文化財が新たに指定されました。
1.指定名称
 阿波晩茶の製造技術
2.所在 地
 勝浦郡上勝町,那賀郡那賀町,海部郡美波町
3.保護団体
阿波晩茶の製造技術保存会
 上勝町阿波晩茶の製造技術保存会
 那賀町阿波晩茶の製造技術保存会
 美波町阿波晩茶の製造技術保存会

4.概要
阿波晩茶の製造技術は,本県の山間地域で古くから伝承されており,他の地域にほぼ類例がない地域的特色が顕著な茶の製造技術である。緑茶のように新芽を採取するのではなく,盛夏の時期に成長した固い葉から製茶することに特色がある。製造は,7・8月の期間において,茶摘み,茶茹で,茶摺り,漬け込み,茶干し,選別の各工程からなり,一連の作業の大半が手作業で行われ,昔ながらの道具が用いられる。手間をかけた伝統的な製法が維持されており,我が国における発酵茶の伝承や製茶技術の地域的な展開を理解する上で重要である。

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【ろばやのブログ】より

上勝阿波晩茶について

阿波、と言えば何といっても阿波踊りが有名ですが、ろばやで販売を始めた「阿波晩茶」は徳島県の山間部に古くから伝わるお茶で、那賀町や上勝町の特産品として知られています。国の重要無形民俗文化財に指定されるなど、その文化の継承が危惧されているお茶でもあります。私達が取り扱いさせていただくのは上勝町の阿波晩茶。人口1600人弱の山間部の小さな町ですが、料亭で飾りとして使う葉っぱを販売する葉っぱビジネスの成功や、ごみを出さないゼロウェイスト宣言など、見聞きしたことがあるかもしれません。阿波晩茶を育む山の景観、美しい棚田の風景、ブナの原生林など、自然豊かな地域です。

阿波晩茶は世界でもめずらしい「後(こう)発酵茶」

 ところで、私達が普段飲んでいる緑茶や紅茶などはすべて同じ、ツバキ科のチャノキという植物の葉から作られるのはご存知でしょうか?チャノキの葉にはポリフェノールの酸化を促進する酵素(ポリフェノールオキシターゼ)が含まれていて、この酵素による働き(=酸化)をお茶の世界では「酸化発酵」と呼んでいます。「発酵」という名前ではありますが、一般の発酵食品と違って微生物は介在しません。この酸化発酵をどの程度利用するかによって、緑茶(不発酵茶)、烏龍茶(半発酵茶)、紅茶(全発酵茶)など様々なお茶に分かれます。

 阿波晩茶は「酸化発酵の度合」というお茶の分類に属さず、微生物による発酵を利用したお茶(=後発酵茶)です。製造工程では茶摘みの直後に加熱して酸化酵素を不活化させ、酸化の働きを止めます。ここまでは不発酵茶の緑茶と同じですが、そのまま揉んで仕上げる緑茶と違い、阿波晩茶の場合は樽に漬け込むことで乳酸菌の働きによって発酵させるのです。ちなみに乳酸菌とは特定の菌の名前ではなく、代謝によって乳酸を生み出す菌の“総称”で、ご存知の通りヨーグルトや漬物などの食品を作るのに欠かせない細菌類です。環境や条件によってさまざまな種類の乳酸菌が住んでおり、作り手による独自の味につながります。

阿波「晩」茶の製造工程

 このような作り方から阿波晩茶は「お茶の漬物」とも呼ばれます。その由来は弘法大師がこの地に自生する山茶を発見して製法を伝授した説、平清盛の病気を治すために中国に渡った家臣が持ち帰った、など諸説(要はとにかく有難いモノ…)。現在も上勝町には広い茶畑があるわけではなく、庭や田畑の脇に植えられた山茶の葉を摘み取るところからお茶作りが始まります。

 茶摘みは夏の盛りに葉が完全に成長してから行います(「晩」茶の所以)。新芽を摘むのではなく、一本の木から葉をすべて摘み取って丸裸にしますが、葉が成長しているので一枝ずつしごき取るような重労働です。収穫した茶葉を集めて2,3日水をかけながら置いた後、籠で運んで釜茹でにし(=酸化作用の停止)、茶擦り用の機械で擦った後(=微生物とその成長に必要な栄養を混ぜ合わせる)、大きな樽に漬け込んでいきます。その際、芭蕉の葉やシュロの葉で中敷きをし、その上に漬け込んだ茶葉と同じ重さの重しを載せ、お茶の煮汁を足して空気を遮断、乳酸菌による発酵を促します。期間は2週間から1か月。この漬け込みの過程には特に家の個性が表れ、その微妙な違いによっても乳酸菌の種類や発酵度合のバリエーションが生まれます。

上勝の自然と微生物と手間ひまの結晶、阿波晩茶

 ここまででも相当な手間と技術を要する作業ですが、最も大変なのが乾燥工程。漬け込まれて硬くなった茶葉をほぐし、ムシロの上に広げて、2~3日天日干しを行います。山間部の変わりやすい天気の下で、時には雨をよけるために茶葉を移動させながら、大きな茶葉がよく乾くように何度も切り返します。書いてしまうと一、二行ですが、広げるのも切り返すのも機械ではなく人の手。最後に茎と葉に分けて異物を取り除いたものが、私たちが手にする阿波晩茶、ということになります。

 阿波晩茶は水色が黄金山吹色のとても美しいお茶で、爽やかな酸味と旨味があります。発酵によりカフェインは少なく、抗酸化作用は高く保たれ、腸内環境の改善、高血圧・糖尿病の予防、花粉症の症状の軽減などが期待されています。イタリアのスローフード協会の「食の世界遺産“Ark of Taste”」(味の箱舟)にも登録されている阿波晩茶。家々に伝わる伝統(と乳酸菌)を絶やさないよう、継承者が後に続くことを願わずにはいられません。

(夏)
  • 上勝阿波晩茶 お試しサイズ 10g 2023年産の新茶
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上勝阿波晩茶 お試しサイズ 10g 2023年産の新茶

324円(税込)

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